国内留学体験記

筑波メディカルセンター病院
掛札雄基

2014年10月〜2015年3月まで慶応義塾大学循環器内科に国内留学させていただいた掛札雄基と申します。2013年10月から保険償還となった経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を勉強するために、国内有数の経験と症例数を誇る慶応義塾大学での研修を希望いたしました。まだ国内で1年しか歴史のない最先端治療のため自分は知識も経験も全くない状態でしたが、林田健太郎先生をリーダーとするTAVI チームの皆様にご指導をいただきながら、知識と技術を身につけチームの一員として成長することができました。TAVIはまだ国内に十分に広がった治療とは言えませんが、その治療は非常に低侵襲で効果も大きく、多くの患者さんにとって福音になる治療と確信しております。しかしその一方でリスクも十分に考慮した上で適応を判断する必要があり、その際に最も重要なのは多くの治療経験とそれぞれの分野での専門家の意見、チームとしての成長であると感じました。慶応義塾大学ハートチームはprofessionalが集った非常に成熟度の高いチームであり、個々の患者さんに対する優しさや誠実さを大切にしながら極めて質の高いTAVIを提供していると実感しております。

私はこの慶応義塾大学での貴重な経験をもとに、現在は茨城県の病院に戻ってTAVI開始の準備を進めており、重度の大動脈弁狭窄症の患者様に対するバルーン大動脈弁形成術なども積極的に取り入れながら、患者さんに最も適した治療を考えつつ日々の診療に従事しております。そのような中で、TAVIチームの皆様のご好意で今でも慶応義塾大学のTAVIには非常勤の立場で参加させていただいております(2015年12月現在)。その理由は新たな人工弁の治験など、日本の最先端を走る慶応義塾大学でまだまだ学びたいことがあるということと、新たな知識を得ることによって、より良い治療の選択肢を私の地域の患者様にも提供したいという想いがあるからです。

私は慶応義塾大学で大切な仲間と出会い、多くの知識と技術を学び、ともに患者さんの治療に携わることができたことを誇りに思っております。国内留学は6ヶ月と短い期間ではございましたが、皆様に暖かく迎えていただき本当に良い研修にすることができました。この場をお借りして御礼申し上げたいと思います。慶応義塾大学TAVIチームで研鑽を積んだ一人として、これからもより良い医療を追求したいと思いますので今後とも宜しくお願いいたします。

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